小浜市の4小学校が統合した。大野市では揉めに揉めたこの学校統廃合問題。
実は大野市が最も参考にできる自治体は小浜市ではないだろうか。
なぜ小浜市で小学校の統廃合が達成できたのか。検証してみたい。
まず、大野市と小浜市は多くの点で似ている。
大野市 | 小浜市 | |
人口 | 33249 | 29338 |
世帯数 | 11807 | 11973 |
小学生児童数合計 | 1481 | 1525 |
小学校数 | 10校 |
統廃合前 12校 統廃合後 9校 |
中学校生徒数 | 812 | 847 |
中学校数 |
5校 非市街地3校 |
2校 市街地2校 非市街地0校 |
両自治体ともに、程度の違いはあれど少子化、高齢化で悩んでいる。
ゆえに、学校の統廃合が課題となっているのだ。
だが、大野市と小浜市でアプローチは違った。
大野市
小学校10校→新築2校、中学校5校→新築1校 という大胆な統廃合案を出し、市民が反発。
市民の声に押された市議会は1票差で統廃合案を否決。
発案者の岡田前市長は退任。現職の石山市長が計画を見直し中。
小浜市
小浜市東部の4小学校を先行して新築1校とした。目立った反対運動は起きなかった模様。
この点から、大野市のアプローチは性急すぎたと考えられる。村部へ行けば行くほど、学校と地域のつながりが強いので、丁寧な合意形成が必要なのだ。
学校を一気に3校新築する案も税金の無駄遣いと批判を浴びた。統廃合するにしても既存の学校が使えないものか。有終西小学校などはできてから10年ちょっとしか経っていない。
となると、岡田前市長がなぜこんなにも性急なプランを提示したのか理解に苦しむ。
小浜市のようにもう少し、スピードを緩めた計画案だったら市民も納得しやすかったのではないだろうか。
ただ、市役所も教育委員会も、立場上「前市長の案は間違いでした」とは言えないだろうが。
学校の統廃合問題は、複雑そうでそれほど複雑ではないと思う。
要は、急ぎすぎたことに問題が集約されるのだ。
小学校と中学校の生徒数も比較してみる。こちらも大野市と小浜市は結構似通っている。
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( )内の数字は建築経過年数
小学校は、一気に2校にしなくても、何校か統廃合していけば良いのではないか。 耐震の問題なら、比較的新しい有終西小(築11年)や富田小(築14年)、和泉小(築11年)はまだ使える。 |