【麹町中学校】担任制の廃止、中間・期末テストも廃止

東京の千代田区立麹町中学校の校長が、大胆な改革を行っている。以前動画でも紹介した、工藤勇一校長が実行している教育改革は全国から注目を浴びているらしい。工藤校長は民間校長ではなく、教員畑一本でやってきた、キャリアからすると典型的な校長先生である。しかし、工藤校長は常識に流されず、自分で物事を考えて改革を実行している。

 

読売新聞 2019年5月5日

 「担任固定・定期テスト・宿題」を廃止…公立中学発の大胆な教育改革、全国から注目

 

麹町中学校では、夏休みの宿題廃止のみならず、担任制の廃止、中間期末テストの廃止を実行した。

文科省も問題ないとしている。これまで校長といのは、どちらかというと名誉職というイメージが大きかった。しかし、校長が誰かでその学校の教育が大きく変わることが証明された。

 

大野市でも大いに参考にすべきだと考えている。

 

市議として気になるのは、大野市では校長というのはどういった基準で選ばれているのか、ということだ。

昔も今も、大野市の校長に特色というものは見られない。校長も公務員である。しかも定年前の。

ということは、前例踏襲型校長が生まれやすい土壌であるといえる。

 

名誉職化していたらぜひ改革を求めていきたい。

 

 

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読売新聞 2019年5月5日

 「担任固定・定期テスト・宿題」を廃止…公立中学発の大胆な教育改革、全国から注目

 

工藤勇一校長

 各学級に担任を固定する仕組みをやめて、定期テスト、宿題も廃止――。東京都千代田区立麹町中学校の大胆な改革が注目されている。工藤勇一校長(59)は「時代の変化に対応し、文部科学省のルールの範囲内でも学校の裁量でここまで変えられる」と語る。画一的、硬直的とされてきた学校現場に風穴を開ける取り組みに、全国から視察が相次いでいる。(編集委員 古沢由紀子)

 

「全員担任制」…学年の全教員が「チーム」

 「校外学習の感想を提出してね。音楽の小テストは金曜日に行います」。3月上旬の授業終了後、1年A組(当時)で小林弘美先生(62)が呼びかけていた。教室の後方では倉内春菜先生(24)が生徒を見守り、時折質問にも答える。

 

 麹町中では昨年度、1、2年生を対象に、年間を通じて学級担任を固定しない「全員担任制」に切り替えた。学年の全教員が「チーム」として、その学年の生徒をみる。今年度からは全学年で実施している。

 

 昨年度の1年生の場合、当初は8人の教員が1~2週間交代で4学級を巡回した。その後は学年主任が中心になり、臨機応変に配置を変えた。各学級で2人の教員が担任役を務め、年度後半は1か月以上同じ組み合わせに落ち着いた。

 

 「ローテーションではなく、学級の雰囲気や生徒の特性に応じて、話し合って決める。固定制ではないため、トラブルがあっても交代しやすい」と主幹教諭でベテランの小林先生は話す。工藤校長が「学級王国的な担任制はやめた方がいい」と提案した際には驚いたが、「以前より教員同士の連絡が密になり、生徒全体のことを考えるようになった」という。

 

 新任だった倉内先生は「生徒にも教員にとっても、相談する窓口がたくさんある感じです」と話した。

 

 道徳や総合的な学習の時間は、学年で内容を統一している。注意しているのは、生徒の様子や提出物などで引き継ぎ漏れを防ぐことだ。

 

 保護者からは「誰に連絡すればいいのか」との問い合わせもあったが、全体には歓迎ムードだ。個人面談は生徒、保護者が第3希望まで指名できる方式にし、部活動などでつながりのある教員も選べるようにした。希望はそれほど偏らなかったという。

 

「担任固定・定期テスト・宿題」を廃止…公立中学発の大胆な教育改革、全国から注目

 

 麹町中では昨年度から、各学期の中間・期末テストを全学年で廃止した。代わりに各教科で、教科書の単元などが終わるごとに「単元テスト」を行い、成績評価の対象としている。日頃から勉強の習慣をつけるのが目的で、希望すれば同じテストに再挑戦もできる。

 

 細かい範囲のない実力テストは年4~6回行う。市販のテストも使うため、相対的な学力を把握できる。

 

 一律の宿題は出さず、夏休みも区から依頼された作文ぐらいという徹底ぶりだ。一連の改革について、3年生の成田樹央いつき君(14)は「テストが頻繁になり、かえって勉強するようになった。多くの先生と関わるので、質問や相談も気楽にできる」と話した。

 

独自方式に「問題なし」…文科省

 

 文科省によると、学級担任の配置や定期試験は学校の慣行で、法令などで義務づけられていない。麹町中のような独自方式に問題はないという。

 

 各地の小中学校では生徒急増期に採用された教員の大量退職で若手が増加し、経験不足でも担任を任される。保護者や生徒には、学級担任が誰になるかで一喜一憂する傾向も根強い。

 

 中央教育審議会が今月、小学校高学年で教科担任制導入の検討を始めた背景には、共通する事情がある。

 

 都内のある公立中では、麹町中の改革も踏まえ、今年度から固定担任制をやめた。「若い教員が増え、学級運営に支援が必要だと感じていた」と校長は語る。同様の動きは各地に広がる可能性がある。

 

 担任制見直しにあたっては、責任の所在を不明確にしないなどの配慮が求められる。学校現場に詳しい田中博之・早稲田大教授は「学級に多くの教員が関われば、いじめの兆候なども発見しやすくなる。学年担当の教員がよく話し合い、生徒が混乱しないよう指導方針に一貫性を持たせることも大切だ」と指摘した。

 

<麹町中の主な取り組み>

 

◆固定担任制の廃止

 

・年間を通じて学級担任を固定しない「全員担任制」に

 

◆定期テスト全廃

 

・中間・期末試験に代わり、各教科で単元テストを導入

 

・年4~6回の実力テストを実施

 

◆宿題の廃止

 

・夏休みも含めて一律の宿題は出さない。個別の生徒に応じた課題は出すことも

 

◆行事の見直し

 

・体育祭、文化祭は生徒主導で運営

 

・修学旅行は生徒が「ツアー企画」を考えて京都、奈良を現地取材する形式に

 

◆服装、持ち物のルール

 

・PTAの検討委が決定。機能性、経済性を重視し、カバンや靴は自由に

 

・生徒会主催で私服登校が可能な期間を設定

 

◆教員公募

 

・都の制度を利用し、学校の教育方針に賛同する教員を公募

 

生徒の相談先、幅広く…麹町中・工藤勇一校長

 工藤校長は都内の区立中教諭、東京都教育委員会、新宿区教委などを経て、2014年、麹町中校長に就任した。専門は数学。政府の教育再生実行会議委員も務める。昨年末に出版した著書「学校の『当たり前』をやめた。」の発行部数が8万部を超えている。改革の趣旨などを聞いた。

 

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 自分で考えて行動できる自律的な人材を育てる。これが学校教育の「最上位」の目的の一つだと考えている。その観点から、定期テスト、宿題、固定担任制など様々な教育活動を5年間かけて見直してきた。

 

 中間、期末テストは、教員が成績をつけるために行われてきた面が大きい。生徒は直前に一夜漬けをするより、各教科の単元テストに備えて計画的に勉強することで力がつく。全員一律の宿題を出し、分かっている問題まで繰り返しやらせることは意味がない。

 

 学級担任制は、各地で起きている学級崩壊の主な原因だと思っている。教委に勤務している頃、保護者のクレームの大半は、担任に関するものだった。

 

 トラブルが起きると何でも担任が抱え込み、保護者の窓口になる。適性や状況に応じて別の教員が対応すれば、簡単に解決するかもしれないのに。学年全体で生徒をみる全員担任制なら、学校として最適な対応がとれる。学級に複数の目が入り、生徒は他の教員にも相談しやすい。若手教員は、ベテランの保護者対応に学ぶこともできる。

 

 保護者も担任を比較したり学校に求めたりするだけでなく、学校運営に関わり、課題を解決する当事者になってもらいたい。

 

 民間出身かとよく聞かれるが、ずっと教職畑でやってきた。教委に約10年間いたので、校長の権限がいかに大きいか分かっている。

 

 財政的にも恵まれている都心の麹町中だから変えられたわけではない。全国どこでも学校の裁量で、個々の生徒に応じた多様な教育ができると知ってほしい。