民主主義、民主政治は生き物だと思う。戦前のドイツの例を出すまでもなく、民主政治は、民主政治を快く思わない勢力によって骨抜きにされることがある。日本の大正デモクラシーもいつの間にか形骸化していたことを忘れまい。香港のデモを見てそう感じた。
参加者は福井新聞によると103万人。報道されている写真をみていると若い人の参加者が多い。
22歳の女子学生が来日して香港の民主主義の危機について講演するらしい。5年前の「雨傘運動」にも参加しているので17歳で政治活動に参加している。飛行機で5~6時間のところでは、こんなに日本と状況が違うのだ。
日本では若い人が政治に関心がないと言われて久しい…20代は50代、60代の半分ほどしか投票に行かない。
政治なんて誰がやっても変わらないよ…といって片づけてしまう人が多い。
香港では民主政治を守るために若者が命をかけて戦っている。香港のデモに参加してブラックリストに載ったら、就職にも影響するであろうに。海外の事情を知り、わが国、わが故郷の状況を省みれば、素晴らしいことと同時に、反省すべき&見習うべき点も見えてくる。
我々は大丈夫なのだろうか。いかに政治に対する無関心が蔓延しているとはいえ、民主主義なんかいらない、独裁政治でもいいと言い放つ日本国民は99.9999%いないはずだ。しかし、福井県の選挙は無投票と多選が幅を利かせている。無投票で首長や議員を選んでいたら、我々は非民主主義国と何の違いがあろう。
日本にも無投票と多選を望む政治的エリートがかなりいるはず。そして、彼らは我々の家からそう遠くない所にいたりする。
気が付くと、私たちの民主政治はいつのまにか腐蝕しているかもしれない。


日刊県民福井2019年6月13日より