【決斗! 市長VS教育委員会】教委が首長の言うことを聞かない時は

● 教委に教育政策の執行権限があるが、予算の執行権は首長にある

● 首長が押し切った例は、「大阪市立桜宮高校体罰事件」の時の橋下徹大阪市長(当時)

● 本気になった首長に対して、本気で抵抗する気概のある教委・教育長はかなり少ないはず

 

「組み体操、市長と市教委が大バトル なぜ実施を望むのか」という朝日新聞の記事が興味深い。

教育政策に関しては、「教育委員会の独立性」というタテマエの下、首長と言えども手出しがしにくい…

というのがこれまでの常識だった。そしてまた首長の責任回避の口実にも使われてきたことだろう。

空しい。学校や公民館、文化会館など教委関連案件で事故やスキャンダルが起きたら首長は「いや、それは、教委の責任で…」などとは言えないだろう。結局最終責任を負うのは首長なのだ。

 

神戸市の小学校で組体操というのをやっているのだが、これまでにも骨折事故を起こした児童が続出。これに気づいた神戸市長が教委に組体操中止を申し入れたが、教委は「今から方針を変えれば、学校現場が混乱する」と実質拒否。組体操を継続した。

 

神戸市長は「やめさせる権限がない」とツイッターで教委に対する怒りをぶちまけているが、実は首長は教育政策に対して無力ではない。市長は市民に直接訴えかける手段を持っている上に、予算執行権を持っているので、学校への予算投入をストップすれば、教委は身動きが取れなくなる。

 

首長による介入が成功したのは2013年1月の大阪市立桜宮高校の体罰自殺事件である。当時の市長は橋下徹氏。バスケ部顧問による体罰に抗議し生徒が自殺するという大事件が起き、橋下市長がバスケ部を廃部にすることはもちろん、桜宮高校スポーツ科の入試をストップすると言い出した。これに対し、教委は抵抗。メディアや保護者・生徒もスクラムを組んで橋下氏の決断に猛反対した。

 

それに対し、一歩も引かない橋下氏。有権者である保護者にさえ「(体罰を肯定する)催眠術にかかっている」と発言。桜宮高校の校長・教頭をおろか、教員の3分の1を挿げ替え、スポーツ科の入試を中止した。教委も渋々だろうが、それを承認する結果となった。

 

今の制度でも、教委を牽制する手段を首長は持っているということ。あとは、首長に何が何でも改革するんだ、という気概があるかどうかである。