福井県の政治を語る際に避けては通れないのは、自民党。そして福井県の自民党は他党の追随を許さない。
立憲・共産・維新は存在はするものの、行政権(知事、市長、町長)を真剣に取りにいこうとはしていない。
県議会の議席の約3分の2は自民党議員、大野市議会の多くはカクレ自民党議員で、自民党籍を有しながら、選挙の時は無所属で出馬する議員さん。よく議員控室で自民党費の支払い用紙が配られているのを見かける。
話は変わって抗議活動の収まらない香港。問題の根本は、共産党の一党独裁体制である。中産階級が多く、教育水準の高い人が多い香港には、本当は民主政治が根付いていなければならないのだ。
福井県と大野市は、香港のような一党独裁ではないが、自民党の一党独走体制である。公明と連立を続けていたり、無所属で出馬する「カクレ自民」候補者が多いことから、決して自民党の人気が高いわけではないことが分かる。しかし、他の党が弱すぎるのと、この党は権力に対する執着心が強いため、結局自民党候補が選挙で勝ってしまう。
常に同じ政党が与党でありつづけているため、選挙がつまらなくセレモニー化してしまい、無投票・多選・世襲候補の当選が頻繁に起きる。一般の市民は政治に対するハードルは高いと思い込んでおり、政治の世界に入ることをためらう。というか政治に関わろうとする若者の足を引っ張ることまでする。しかし選挙なんぞ、そもそも金はかからない。真面目に準備をすれば、供託金ぐらいは返ってくる。
自民の内部には優秀な政治家が大勢いるのは確かだ。しかし、大阪のように自民とは別の政党が首長を取ったり議員の過半数を制することも必要である。人口減少、関電問題、経済の低迷など問題山積の福井県、私たちが感じる停滞ムードは、政治の停滞から来ていると思う。