【橋下徹メールマガジンより】緊急事態であれば、資本主義経済を一旦ストップし、国主導の社会主義経済に

コロナウイルス対策に国も自治体も逼迫した状況で対応している。安倍政権の対応策には色々突っ込みどころがあるが、ここでは深く触れない。しかし、今日送信された橋下徹氏のメールマガジンに面白いことが書かれていたので、今日はここでシェアしておきたい。

 

橋下氏によると「市場をストップし犠牲者を出すなら、共産主義的なサポートが必要だ」とのこと。現在自由に経済活動ができない今、緊急事態として国が経済活動を統制する代わりに、国民の最低限の生活の保証をする社会主義経済にすること。橋下氏はメールマガジンでは共産主義と言っていたが、この言葉のイメージがかなりネガティブなので、このブログでは社会主義という言葉を使う。

 

国が民間企業に休業要請をするのであれば、国民に最低限生きていくための収入を保証してあげないと、国民は路頭に迷ってしまう。そしてコロナのせいにして職員を解雇することを禁じ、人件費を払えるようにするため企業に助成金を渡すことになる。そうなると多額の予算が必要になるので、日銀は輪転機を回すことになる。今は緊急事態なのだからそれもやむなし、というのが橋下氏の主張…なのだが、およそこれまでの橋下氏らしからぬ意見だ。大阪の補助金や無駄な支出をバッサバッサ切ったのは他でもない橋下氏なので、今回のコロナ騒動はそれほど異常な事態なのだ。

実は、今の全世界における混乱状態を見ていると、国が積極的に経済活動を制限し、それに関与せざるを得ないと私は考えている。なぜならこのやり方が成功すると歴史が証明しているからだ。1929年のアメリカの大恐慌を振り返れば、緊急事態には国主導の社会主義的な政策が功を奏することが分かる。当時の米国大統領はフーバー大統領(任期1929年~1933年:共和党)で、国家が経済に関与することを嫌う思想の持主、つまり自由経済主義者だった。国家が経済に介入すると、それは社会主義や共産主義につながり、国民の自由を奪うからダメ、という考え方だ。それは一見理にかなった思想ではあるが、大恐慌の時には最悪な結果をもたらした。人々は貧困に喘いでいても、それは「自己責任」と政府は助けようとしないため、フーバー大統領は最悪の指導者の1人として歴史に名を残すことになる。

 

そして後任の大統領はフランクリン・ルーズベルト(任期1933年~1945年:民主党)で、ニューディール政策が有名。国家が積極的に雇用を創出し、人々に収入を得させる政策で、いわゆる社会主義的なアプローチである。その結果、米国は見事に大不況から脱出することができ、今もルーズベルト大統領の評価は非常に高い。アメリカの話だけ聞くと、社会主義的アプローチにいいね!ボタンが押されそうだが、事はそう単純ではない。

 

実は、このころちょうど社会主義的アプローチで苦境を脱した大国が2つある。1つ目はドイツで、1933年にアドルフ・ヒトラーが首相となり、国家社会主義政策で景気を立て直そうとし、見事成功する。2つ目はジョゼフ・スターリン率いるソ連で、世界の主要国でほぼ唯一米国発の大恐慌の影響を受けなかった国である。ナチスドイツと共産ソ連で採用された政策も、社会主義的政策なのだ。アメリカの保守派が社会主義政策を極度に嫌う理由がお分かり頂けただろうか。日本は戦後、そんなアメリカを親分として自由主義経済を旗印に成長してきた。

 

というわけで、ヒトラー、スターリンの例を鑑みると、社会主義政策を手放しで称賛することはできない。しかし、今この緊急事態においては、国民への現金給付(生活の保障)、企業への助成金、解雇の一時禁止、国主導の雇用創生、医療費の助成が必要になってくる。何から何まで国主導だ。正直、気持ち悪いが、今は異常事態なので仕方がない。ここは大恐慌時代の米国のように、自由に国民が商売できるようになるまで国に介入してもらうしかないだろう。

 

自由な経済活動は今、事実上不可能となっているのだから。