【アニメ「美味しんぼ」】山岡士郎、海原雄山から政治を学ぶ

小学生の頃、テレビの本放送で見たアニメ「美味しんぼ」は1988年~1992年にかけて放送された。バブル絶頂期のこの時代、当時の情勢が良く反映された話が多い。その中でも私が一番好きな話が第27話、28話の「激闘鯨合戦(前編・後編)」である。なぜか良くわからないが、この話が一番印象に残っている。実はこの27話、28話は「捕鯨」という敏感な政治問題を扱っているため、Amazon Primeなどで見ることができなくなっている。コミック版(第13巻)を読むか、どこかにこっそりアップロードされているかも。

 

話を要約すると、アメリカの「鯨十字軍」という反捕鯨団体が来日し、日本政府に捕鯨を全面禁止するよう働きかけるという、国際政治がモロに絡んだテーマなのである。鯨十字軍といっても、本当の目的は反捕鯨などではなく、貿易黒字をため込む日本に制裁を加えるのが真の目的だったのだ。人種差別感情も加わった大人の偽善が丸見えになってしまう話でもあり、政治というものが非常に良くわかる。子供向けのアニメとは思えないぐらいの完成度の高さを誇ると思う。

 

前後編の50分強のアニメの中で、主人公の山岡士郎と父親であるライバル海原雄山が共に反捕鯨団体の欺瞞を暴くために語って語って語りまくる。高級料亭であれ、パーティー会場であれ、副総理室であれ、上司の前であれ、この2人は明日にでも国会議員になったほうがいいぐらいの迫力で演説ぶるのだ。相手が外国人であろうと、国会議員であろうと、上司であろうと、対等に堂々と話す姿が眩しい。アニメとはいえ、多くの人がマネできないような語りっぷりが、小学生だった私にとって強い印象を残したのだろう。我々は彼らのように語るべきなのだ。

 

山岡「日本人をナメるなよ…」

山岡「(副総理大臣に向かって)ほお、角丸さんも大したことないですねぇ」

海原「(鯨が捕れない状況を嘆く鯨料理店の店主に向かって)1人の民間人では何もできないだって?お前は日本文化を守るために何の努力をしたのか?反捕鯨運動も元々はたった一人の活動家が始めたことではないか!」

 

市議という立場に立って改めてこのアニメを見てみると、政治家の仕事とはこういう発言をしていくことなのだと分かる。市議になって思ったことは、議会内で表向き和気あいあいとやりたがる議員が多いことだ。本当はお互い腹のウチを探りあったりしているはずなのに。私も市議になって1年半になるが、少しは議員控室や会議室で議論・口論をやってきた方だとは思う。またそれが正常な政治家の姿だと思っている。ま、それでも山岡師匠、海原師匠には遠く及ばないが、目指すべき政治家像というのをアニメから学ぶことになるとは思ってもみなかった。