【政治家と有権者の距離】トランプ大統領はなぜ愛されるのか?

我が家でもそうだが、アメリカ人は大統領選挙が近づくと朝から晩まで政治、政治、政治である。最近は米国の世論が真っ二つに分かれ、選挙は予断を許さない状況になっている。私の米国人の妻などは今の政治状況に悲観しているようだが、私は逆にあれだけの政治的エネルギーを生み出す米国政治に躍動感すら覚える。

 

ところで、日本の新聞やテレビ報道で米国大統領選挙に関するニュースを見て気づくことがある。

それはバイデン寄りの報道が多いということだ。どうやらCNNやNew York Timesから情報を取ってきてそれを基調として報道するものだから、民主党寄りの論調になりやすいらしい。バイデン氏は人柄も良く大統領を批判、対する現職のトランプ氏は問題発言や差別的思想の持ち主で・・・という流れで報道されているが、よくよく見ると熱心なファンはトランプ陣営側に多い。バイデン氏のファンはあまり多くはなく、むしろ反トランプで集まった人たちがバイデン側にいると見ていい。また、隠れトランプ支持者も多く、こういった人たちは世論調査に協力せず、その結果メディアの「バイデン氏優勢」と結論付ける世論調査を狂わせる。2016年の時もまったく同じことが起きた。2016年の大統領選はヒラリー陣営の民主党のみならず、既存メディアの敗北でもあったのだ。

 

トランプ氏はなぜあれだけメディアや国内外で批判されながら、多くの聴衆を魅了するのだろうか。それはトランプ氏が国民の気持ちを代弁しているからである。実は、一般の人にとって国民の気持ちを理解することは決して難しいことではない。ただ多くの政治家にとって容易なことではない。理由はもちろん、政治家の多くは様々な人々に向けて忖度をしているからだ。だから発言がいつも当たり障りのないものになってしまう。米国も日本も同じである。福井県のような地域では役人に毛の生えたような人材が政治家になる傾向がある。政治指導者の言葉が有権者の感覚から遠く離れているが故に、人々は未来への展望が描けず閉塞感が生まれてしまうのだ。トランプ氏は型破りな言動を続けていても、国民の閉塞感を打破しているが故に多くの支持者が彼の周りに結集するのだ。

 

トランプ氏が2016年に演説で「彼ら(They=政治エリート)は君たち(一般有権者)のことなんか考えちゃいない」と言っていた。全世界の民主主義国家において間接民主制の機能不全、つまり有権者と政治家の距離が広がっている中で、トランプ氏は上手く人々の心をつかんでいるのだ。メディアや知識階級が上から目線で批判をしてきても何のその、下品な言葉ですら有権者の心の思いを代弁してしまっているのだ。

 

我々日本の政治家はどうだろうか?現職のトランプ大統領を指さして、あれではダメだ…などと論評してはいないだろうか。私たちの言葉はどこへ行ったのか?私たちは政治指導者としてしっかり国民の気持ちを代弁できているのか?それとも選挙前になって道端や公民館等で頭を下げるだけか…

 

私を含めてだが、日本の政治家がトランプ氏から学ぶことは非常に多いと思う。