米大統領選を横目で見ながら

トランプか、バイデンか

 

アメリカ国民でもないのに、これだけ米大統領選について語りたくなるのは、この選挙が如何に面白いかを如実に表している。結果はマスコミ報道ベースでバイデン勝利が決定したようだが、トランプ陣営、及びトランプ支持者は決して許さないだろう。また今回起きた郵便投票の怪奇現象について忘れることはない。彼らは心底今回の選挙はインチキだと思っているからだ。それを知ってか知らずか日米のマスコミはバイデン当選とトランプ落選について歓喜する。

 

左派VS右派の戦いを超えて

 

米国内で左派(民主党)と右派(共和党)の対立が決定的になり、お互いあまり話すらしなくなった。もしトランプ氏がこのまま政界を去ることになったら、民主党内で穏健派と強硬派が対立するようになるだろう。私はバイデン氏を終始支持していなかった。どちらかといえばトランプ氏のほうが既得権益をぶっこわしてくれそうで、非常に期待値が高かった。任期終盤に見せた台湾・香港支持の姿勢はこれまで米政権にはなかったものだし、軍隊も増強しようとしていたためアジアの米軍プレゼンスも大きくると思われ、非常に頼りがいを感じた。一方で、バイデン氏はどうしてもオバマ時代に時計の針を戻しそうで魅力を感じなかった。外交政策では、中国の覇権主義に対して8年間事実上何もしてこなかったと言って良く、日本政府ともビジネスライクに付き合い、トランプ・安倍のような蜜月関係にはならなかった。オバマ氏広島訪問、安倍氏パールハーバー訪問は素晴らしかったと思う。

 

バイデン氏は典型的な政治家で、語る言葉もイマイチ優等生型の発言が多い。敵を作らないという意味ではそれで良いのだろうが、それでは人々を魅了することはできない。トランプ氏は型破りな発言・行動が目についたが、それでも国民の49%が彼を支持し、国外にも多くのトランプファンがいるのだ。芸人のパックンを含め、彼らはなぜそれだけ多くの人たちがトランプを支持するのか理解してはいなさそうだ。

 

実は、米国内の左派ならバーニー・サンダースを支持している

 

左翼、右翼という議論は嫌いだ。こういう言葉は相手にレッテルを貼り非難するために使われる言葉で、冷静な議論をするときに使われない。私は北朝鮮や中国の脅威を感じやすい日本に住んでいるため、対外、特に軍事重視の政権を支持する傾向にあるが、(歳をとったためか、)日米左派の主張にも一理あると感じることもある。日本では最近大野市議会で福井県をよくする会が提出した拉致問題に関する請願で、日本共産党のみが賛成してくれ、自公系の議員は軒並み反対した。また、首長の退職金の廃止を主張したり、ブラック校則を追求する日本共産党は、党名はアレだが、福井県では遥かに自民よりも共感できる。

 

米国の場合、銃社会と保険料・大学学費の高騰に歯止めをかける必要があると思っている。私が米国民なら真っ先にそれを何とかしてほしいと思うだろう。銃の乱射事件など毎回聞くだけでもウンザリするし、保険料・学費などちょっと高いというレベルではない。一歩間違えれば人を破産に追い込むぐらいの額だ。その社会を大きく変えていこうとしたのが、民主党左派のバーニーサンダースで2016年、20年と2回にわたり民主党主流派の妨害に遭い予備選で落選した。サンダースは社会主義者、極左と言われながら自分の思いを主張するところは魅力的だ。これが多くの若者を惹きつけた理由だろう。彼の主張は国民皆保険の国に住む私からすると極左には見えない。米左派がしっかりと中国や北朝鮮の人権状況に対して切り込んでくれれば、私も嬉しく思う。・・・が、クリントン8年、オバマ8年を見る限りそういう感じではなかった。台湾にでも済まない限り外交は票にならないのだろう、こうなると政治家はなあなあで済ませてしまう。台湾ですら中国の脅威が目先の経済的利益によって見えなくなってしまうことがあった。香港のデモがなかったら親中の国民党がまた勢いを伸ばしていたかもしれない。

 

共和党の右派・保守派は諦めない、「往生際の悪さ」も美徳

 

日本のメディアなどは軽視し、米メディアは意図的に無視し世論が湧き起こらないようにしているのだろうが、共和党の右派・保守派はこれからも法廷闘争を続け、今回の選挙結果を頑として認めないだろう。「往生際の悪さ」はアメリカでは美徳と木村太郎氏が言っていたが、私はそれでよいと思う。自らの信念を貫くという意味で。テッド・クルーズ上院議員、マルコ・ルビオ上院議員の香港擁護の発言は立派だった。あれこそまさに国会議員(連邦議員)の鑑だと思う。左派系議員はどの国も共産国の人権弾圧に対して、容認しているとはいえないまでも、国内問題に比べ関心が薄い。トランプ氏が政界を去ることになれば、世代交代でこういった議員が共和党を引っ張っていくと思う。