【民主国家の自立した有権者として】役人に政治を委ねるな

十代の頃、故・李登輝氏の著書「台湾の主張」を何十回と読み返した。一番ショッキングだった言葉が第6章の「(日本の政治家は)自分たちがすべきこと、判断すべきことを官僚に委ねてしまった」という部分である。そしてこの官僚たちがツマラナイ理屈に拘って日本の成長を阻害していると李登輝氏は指摘していた。

 

いま40歳になり市議会議員として私も、20年前以上の問題点が今も福井県や大野市にも未だにあてはまることを痛感させられる。地方自治体なのでここでは「官僚」ではなく「役人」と呼んだ方がいいのだろうが、どちらも同じようなものである。日本の役人は、おしなべて礼儀正しく、真面目で、一生懸命仕事をしようとする。しかし彼らが政治の場で改革を進めることができない。なぜか。

 

福井県では、元役人、元中央省庁官僚、元県庁職員、元市職員など、行政に長年携わってきた人が政治家に転身するケースが多い。首長であれば、福井県知事の杉本氏に加え、大野市長、福井市長、勝山市長、あわら市長、美浜町長、若狭町長、小浜市長が元役人だ。あとは議員が首長になったケースである。

 

しかし、ここ福井県では、首長選挙は自民党福井県連の後押しを受けた候補が通常勝つ。対立候補が弱いか、最初から選挙に出てこないという場合も少なくない。首長選挙の時にややこしい人たちから支援を受けて当選すると、政治にまつわる根本的な問題を解決することができない。何事も、様々な業界団体や自民党福井県連に忖度しながら自治体を運営せざるをえなくなるからだ。操り人形になるのであれば、私なら選挙に出ても落選を選ぶだろう。

 

元外務官僚の佐藤優氏によると、役人・官僚は給料よりも、肩書(出世)を望むという。だが、落選してでも、こういう改革をしたい!という強い意志を持たない。落選は優等生としてのメンツに傷がつき耐えられないので、とにかく当選して自治体トップになれれば良いのだ。問題は、トップになって何をしたら良いのか分からないことである。結局、小手先の改革ばかり進めようとして、気が付いたら4年が過ぎているのが、福井県の政治なのだ。

 

そして、役人型政治家は、既得権益層が嫌がることを言えない、または実行に移せない。彼らと対立するには相当の信念とエネルギーが必要になるからだ。政治家が信念・エネルギーを醸成するには、私が思うに意外と時間がかかる。組織票に支えられながら楽に首長選挙に勝ったところで、大きな改革など実現できるわけがない。

 

また、お役人は人当りがいいので、一見政治を任せても大丈夫…のように思えるが、既得権益層と戦う術を知らないために、結局改革が小規模なものに終わってしまうのだ。彼らは情報や発言を公開することを望まず、全て密室の中で物事を進めることを好む。会議室では声の大きな人たちも、いざカメラが入ると蚊の鳴くような声になってしまう。私は議員になってそれが良く分かった。市議の経験はわずか2年でも非常に有意義である。

 

我々は、自民党福井県連に支えられた古い役人型政治を断ち切り、彼らに依存することを止めなければならない。一般の有権者の中にも、自民党が作った古い政治の常識を信じ込んでいる人が多い。「選挙はカネがかかる」といったウソ話が信じられているのだ。

 

また2021年に衆院選が、2022年に参院選が予定されているが、いい加減自公政権にNoを突きつけるべきだろう。ふざけたスキャンダルがあまりにも多すぎる。自公の他に7党あって、どれもこれも規模が小さく、福井県では存在感すらない。が、それでもとりあえず我々は自民・公明に投票しないことを選択すべきである。

 

とにかく自民党・役人に依存しない有権者になること。福井県をよくするにはこれしか方法がない、と私は考える。