良書紹介「憂国のラスプーチン」~警察も検察も事件をデッチ上げる

久しぶりに漫画本を読む。警察・検察が国策捜査として無実の人を陥れ、逮捕してしまうという悲しい事件について書かれている。主人公優木衛のモデルは鈴木宗男衆議院議員に近い外務官僚だった佐藤優。現在でも多数の著書を執筆し、ラジオや動画に出演している。私と同じキリスト教徒であり、私が好きな作家の1人でもある。

 

きっかけは2002年の鈴木宗男事件。鈴木議員があっせん収賄をした疑惑がかけられ、鈴木氏と近かった官僚や商社マンが相次いで逮捕された事件で、鈴木氏と佐藤氏は今も無罪・冤罪と主張している。というか、この漫画本を読めば、鈴木氏・佐藤氏の逮捕劇は全て検察側が仕組んだ茶番劇、いわゆる国策捜査であるということがよく分かる。当時の雑誌やテレビ・新聞が商売につなげるために、鈴木・佐藤両氏を面白おかしくあげつらい悪代官ぶりを国民全体に広めていった。当時22歳英国留学中の私もそのイメージにまんまと引きずられ、「鈴木はどうせ悪人なんだろう」というイメージを持ってしまっていた。当時はまだSNSが十分普及していなかった時代である。YouTubeもツイッターもないので、既存マスコミの餌食になると、イエスキリストもマザーテレサも極悪人になってしまう・・・そんな時代だった。私は将来こういった危害を受けないためにも、常日頃からSNS、特に動画YouTubeをして情報発信を続けている。マスコミの流す情報は間違いで、事実はこうなんだ、という説明を自らの口で発信するためには、SNSは不可欠なのだ。

 

この漫画に出てくる高村という担当検察官も、序盤はかなり高圧的な調子で主人公の優木衛(←佐藤優がモデル)に迫ってくるが、優木の釈明・抗議を聞いているうちに、高村自身もこれは冤罪・無罪であることに気づいてくる。しかし、検察のメンツにかけて無罪の民間人を有罪にするように仕組んでいく、という信じられないことを検察官自身が取調室で公言しているのだ。法治国家、民主主義国家であるまじきことが、この日本で行われている。取り調べの可視化は2019年から始まったようだが、権力側はかなり無理な理屈を持ち出して容疑者を極悪人/凶悪犯に仕立て上げる・・・このやり方はまったく中国や北朝鮮で行われていることと一緒である。さすがに、水攻め等の拷問までは日本にはなく、刑務所・拘置所のメシは美味いらしいが、我々は近隣の共産国を非難できる立場なのだろうか、ということをこの漫画本から考えさせられる。

 

そして検察と並んで、というかそれ以上に腐っているのが外務省。鈴木氏は当時疑惑のデパート、疑惑の総合商社と呼ばれていたが、外務省は公金横領、国家機密漏洩、犯罪もみ消し、マネーロンダリング、破廉恥行為等々やりたい放題・・・まさにこちらほうが疑惑の総合商社といった感じである。こんな悪辣な省庁に我々は税金を納めていたのだ。

 

次にマスコミ。新聞・テレビ・雑誌といったメディアは、連日鈴木氏と佐藤氏を血祭りにあげていた。悠々と外務省や検察から流されるウソ情報を本当のようにリークし、鈴木・佐藤両氏の犯人像を作り上げてきたのがマスコミである。

 

しかし、希望が持てるのは、そんな鈴木氏は今では国会議員に返り咲き、佐藤氏は大学教授や作家として活躍している。この点、日本は非道極まりない近隣の共産国とは違い、権力に真っ向戦いを挑んでも、復活できる余地があるということだ。また多くの日本国民が鈴木氏・佐藤氏を暖かく受け入れている、ということでもある。1~2年、ハメられて檻の中にはいることは屈辱以外の何物でもないが、筋を通して堂々としていれば必ず復活できる、ということを鈴木宗男氏、佐藤優氏から学べる。

 

神様は見ている、お天道様は見ている。暗闇の中で行った悪事は、光によっていずれ明らかになる。そして、私たちはそこに希望を見出すのだ。